壬生町の観光と歴史

壬生町の3古墳

壬生町の3古墳

おもちゃの町であると同時に、歴史の町でもある壬生町。
その歴史はとても古く、原始・古代から多くの人々が暮らしていたと考えられています。
黒川東岸の大地には、それを証明する3つの古墳があります。
ウォーキングがてら古墳を散策して、古代のロマンを体感してみるのもおすすめです。

 

<牛塚古墳>


黒川の東岸、県道2号線北側の林にある古墳です。
6世紀末〜7世紀初頭に造られたと推定されている古墳で、国指定史跡となっています。
盛り上がったところが牛が寝ているように見えることから名付けられたようです。

 

前方後円墳ですが、上から見るとホタテ貝に似ており、帆立貝型前方後円墳とも呼ばれています。
全長約60m・墳丘長49.5m・後円部直径38mと大きな古墳。
樹々が繁っていますが、下草などは刈られて整備されているため、登ることもできます。

 

墳丘は二段になっていて、下段の平坦面の幅が広いのが特徴です。
周囲には堀がめぐらされていたようで、ほとんど埋まっていますが、堀の遺構を確認できます。
平成27〜28年度に発掘調査が行われましたが、まだまだ謎の多い神秘的な古墳です。

 

住所:栃木県下都賀郡壬生町壬生甲3068
アクセス:東武宇都宮線壬生駅から徒歩約30分(約2km)

 

<車塚古墳>


牛塚古墳の東側に隣接する古墳です。
栃木県を代表する古墳時代末期の大円墳で、こちらも国指定史跡となっています。

 

墳丘は三段に造られており、こちらも第一段の平坦面が広いのが特徴。
第一段の直径が82mもある大円墳(円形の古墳)です。
高さは約11mあります。

 

墳丘の周囲には堀と土塁があり、現在でも確認できます。
さらに近年の調査で2重目の堀が発見され、その堀も含めた全長は直径135m。
とても大きな古墳で、埋葬者の絶大な権力を物語っています。
現在は樹々が繁っていますが、古墳時代には墳丘全体が石で覆われていたと考えられています。
南側には擬灰岩一枚石の横穴式石室があり、奥の壁には赤く塗られていたあとが見られます。
巨大なの石室開口部は、太古の世界に通じているような趣きがあり、なかなかの迫力です。

 

住所:栃木県下都賀郡壬生町壬生甲3153-1
アクセス:東武宇都宮線壬生駅から徒歩約30分(約2km)

 

<愛宕塚古墳>


車塚の南、直線で約800m程の場所にある古墳です。
全長約78m、高さ5mの前方後円墳で、こちらも国指定史跡。
墳丘は二段に造られていて、牛塚・車塚古墳と同じように第一段の平坦面が広いのが特徴です。

 

墳丘の周囲には堀と土塁がめぐらされており、良好な状態で残っています。
平成29年から行われた調査では、2重目の周溝と葺き石が発見され、その全長は100m以上!
盾を持った人の形をした「盾持ち人埴輪」も発見され、この地域の大古墳の中では最も古い古墳と考えられています。
埴輪は5か所から発見され、複数の地点から発掘されたのは栃木県内で初となる大発見でした。

 

古墳の前方部には、江戸時代に壬生城の鬼門除けとして建立された愛宕神社がありますので、ぜひ参拝してみましょう。

 

住所:栃木県下都賀郡壬生町壬生甲3278-1
アクセス:東武宇都宮線壬生駅から徒歩約20分(約1.7km)

 

上記の3古墳はいつでも無料で自由見学可能です。
古墳の詳細については、壬生城址公園内にある壬生町立歴史民俗資料館でより詳しく学べます。
発掘品の展示などもありますので、古墳見学の前後に訪れるのもおすすめです。

 

壬生駅と上記3古墳群の途中には、お花見スポットの東雲公園があります。
公園内には公共入浴施設の「ふれあい交流館」がありますので、帰りに汗を流すのもいいですね。
壬生駅から古墳群は往復5km程と、初心者でも無理なくウォーキングを楽しめる距離です。
黒川の畔を歩き、古墳群を訪れ、太古のロマンにひたってみるのはいかがでしょうか。